Timee Product Team Blog

タイミー開発者ブログ

関西データエンジニア/アナリティクスエンジニアMeetup 参加レポート

はじめに

こんにちは。タイミーでデータエンジニアをしている chanyou です。

先日、おそらく関西圏で初めてのデータエンジニアリング・アナリティクスエンジニアリングをテーマとしたイベント、 関西データエンジニア/アナリティクスエンジニアMeetup に参加してきました!

https://monotaro.connpass.com/event/360460/monotaro.connpass.com

このミートアップは、株式会社MonotaRO主催のもと、「関西に住みながらデータ関連の仕事をしたい」「関西で同じ職種の仲間と繋がりたい」という想いを持つデータ専門職向けに開催されました。 当日は株式会社10X、株式会社MonotaRO、ダイハツ工業株式会社、そして当社タイミーの4社の発表と、最後にパネルディスカッションがありました。

非常に熱量あるイベントでしたので、内容をまとめてお伝えします。

会社にデータエンジニアがいることでできるようになること

まずは株式会社10X 吉田さんの発表です。

speakerdeck.com

マネージドサービスが普及し、誰でもある程度のデータ基盤を構築できるようになった現代において、改めて「なぜデータエンジニアが必要なのか」という問いに、具体的な事例で答えていく内容でした。

特に印象的だったのは、以下の2つの取り組みです。

  • アセスメントの実施とデータ品質の改善
    • DMBOKを拠り所にデータ品質を定義し、データセットごとに可視化する仕組みを構築されているとのこと。
    • 正直データ品質の継続的なモニタリングまでされていて、見習っていかねばと思いました。
  • Data Contractによるデータソース仕様の確立
    • データの生産者とデータの消費者の橋渡し役として、連携のプロトコルを取り決めて運用されているとのこと。
    • これもまたマネージドサービスだけでは実現できない、人間に残された仕事のうちのひとつだなと思いました。

セッション全体を通して、「データエンジニアの本質とは何か?」という問いを突きつけられたような感覚で、身が引き締まる思いでした…!!

組織的データ活用をスケールさせる、アナリティクスエンジニアリングの実践

続いて株式会社MonotaRO 小谷さんの発表です。

アナリティクスエンジニアリングに特化した部署を立ち上げ、組織的なデータ活用をスケールさせている実践例が共有されました。

今回発表された小谷さんは、営業専門のアナリティクスエンジニアとして、営業組織にフルコミット。深く入り込んで課題の特定からソリューションの実装・運用までされているそうです。

印象的だったのは営業組織に本当に深く入り込んでいる点で、営業管理部署の定例に参加するのはもちろん、作業も同じ部屋で行うなど、徹底的に現場に寄り添っていました。これにより真の課題を特定して、成果につながったとのことでした。

さらに 縦に伸ばして横に広げる という、アナリティクスエンジニアが深さを探求して、データエンジニアがそれを横展開する思想が語られており、非常に共感できる考え方だなと思いました!!

具体的なソリューションについても、セマンティックレイヤーを整備したり、生成AIによる議事録作成の自動化をしたりと、踏み込んだデータ活用をされていて勉強になりました。

AnalyticsEngineeringがもたらした実インパクトと未来のロードマップ

当社 okodoon さんによる発表です。

speakerdeck.com

タイミーにおけるアナリティクスエンジニアリングを「データ活用UXの改善」と定義し、これまで行ってきたデータモデリングやデータアプリケーション開発が、実際にどのようなインパクトをもたらしたかを紹介しました。具体的には以下の事例を紹介しました。

  • Looker整備によるアナリストの負荷軽減と指標統一
  • 個人情報を含むデータのアウトプット申請フローのセルフサービス化

また、後半ではさらにデータ活用体験を向上させるために行っているヒアリング活動についても触れました。

データ利用者の業務理解には、ジョブ理論とユーザーストーリーマッピングを組み合わせた独自のフレームワークでヒアリングを実施。いざモデリングを行うとなった際にはアジャイルデータモデリングを実践しています。

またアナリティクスエンジニアリングの魅力に注目して語っていて、okodoonさんは 飽きないことも重要 と話していたのが同僚ながら面白かったです。

製造業におけるデジタル人材の活躍ポイント

ダイハツ工業株式会社 太古さんによる発表です。写真NGのスライドでしたので文章のみでお伝えします!

自動車メーカーということで他の3社とは、データを取り巻く環境が全く異なっていました。AI、BI、アプリ開発の3軸で、トップダウンとボトムアップの両面で変革を推進しているとのことでした。

AI に関しては、スキルあるメンバーが現場に入り込み、たった2ヶ月でリリースして回っているとのことでした。スタートアップ顔負けなスピード感に驚きました…!

BI に関しては、ちょっとダッシュボード作れるレベルの方を増やすのではなく、人に教えられるレベルの方を増やすことに注力した戦略を取られているとのことでした。

アプリ開発軸に関しては、手を挙げたキャリアチェンジしたい方などにプログラミング教育を実施して、元の部署や異動後の部署で現場の課題を解決する動きを取ってもらっているとのことでした。実際に人手で行っていた作業を自動化する内製アプリがポツポツと開発されていて、現場の課題をそのまますぐに解決できる環境が実現されているんだなと思いました…すごい。

パネルディスカッション

セッション後は、登壇者全員によるパネルディスカッションが行われました。多岐にわたるテーマで議論が交わされ、特に印象に残った点をいくつかご紹介します。

Q. ジョブ理論の活用といった知識のインプットや、チームでの議論はどう進めている?

okodoon(タイミー): 「プロダクト開発の知見を参考にしている。社内のプロダクトマネージャーが実践しているジョブ理論やユーザーストーリーマッピングの手法を、データ基盤の利用者ヒアリングに応用した。」

吉田さん(10X): 「X(旧Twitter)など外部からの情報収集に加え、ソフトウェアエンジニアリングの知見を参考にすることが多い。ただし、単に新しい技術を導入するのではなく、自分たちの組織のフェーズに合っているかが重要。経営陣にも年単位で繰り返し伝え続ける粘り強さも必要。」

Q. 大人数がデータを触る中でのガバナンスや管理体制はどのように担保してる?

太古さん(ダイハツ): 「まずはセキュリティを固めたセキュアな環境を構築し、その中で自由に使えるようにしている。新しい技術を試すためのSandbox環境を用意するなど、目的で使い分けている。」

Q. データ品質改善の副作用や、他部署への説得はどう乗り越えた?

吉田さん(10X): 「オペレーション部門などとの連携は課題になりやすい。まずは現状の定義がなぜ正しくないのかを紐解き、あるべき姿(to-be)を考える。元データの作りが良くないなら、データ基盤側で吸収するアプローチも取る。」

小谷さん(モノタロウ): 「営業組織などは特に指標が変わることに敏感だが、丁寧に説明することで理解を得やすい文化がある。」

Q. 何を作るかの意思決定、どこにベットする?

okodoon(タイミー): 「投資しても腐らない領域にベットする。AEが担う指標の定義などは、やればやるだけ人間もAIも喜ぶ領域。」

吉田さん(10X): 「ビジネスプロセスをどう定義するか。枯れたフレームワークはLLMも解釈しやすい。」

Q. アナリティクスエンジニアというロールはどうやって生まれた?

okodoon(タイミー): 「アナリストが闇堕ちして誕生した(笑)。『分析テーブルが汚い』といった憎しみを解決したいという想いが原動力。」

吉田さん(10X): 「ロールはなんでもよくて、執念をどこに捧げられるかの違い。」

おわりに

今回のミートアップを通じて、関西のデータコミュニティの熱量を肌で感じることができました。

各社の発表が刺激になったのはもちろん、パネルディスカッション後の懇親会では様々な領域の企業の方とお話できて、本当に西日本における盛り上がりを感じました…!

このような素晴らしい場を設けてくださった運営・登壇者の皆様、そして当日お話しさせていただいた参加者の皆様、本当にありがとうございました!

今回得た学びを日々の業務に活かし、タイミーのデータ活用をさらに前進させていきたいと思います。