はい、亀井です。 yykamei という名前でインターネット上ではやらせてもらっています。所属はタイミーです。
今回、 Kaigi Pass という制度を利用して Regional Scrum Gathering Tokyo 2025 (RSGT 2025) にボランティアスタッフとして参加させていただきました。ShinoP さんと takakazu さんに「RSGT 2025 でボランティアスタッフをやるのですが、スタッフでも Kaigi Pass 使えます?」と相談したところ「いいね!」というお声がけをもらい、晴れて Kaigi Pass を利用して参加することができました。お二人に感謝。
Day 0
RSGT への参加自体は今回が2回目です。2回目の今回はスタッフとしての参加で「なんもわからん」という状態で若干の不安を抱えながら Day 0 を迎えました。
この Day 0 というのは、つまり「前日」の意味ですね。 RSGT 自体は 2025 年 1 月 8 日に始まりますが、その前日からいろいろと活動をするわけです。
Day 0 の日に会場についたところ、誰かから「ここはふわっと始まるんで」と言われ、たしかに、「ふわっと」作業が始まりました。到着時点ですでになんらかの作業をしていたメンバーが数人いたのですが、やることがわからないので観察するしかありません。観察していると、だんだんと「なるほど、これをここに持っていくのね」「ブースの荷物を持っていくのね」などがわかってきますし、「誰か◯◯をやってー」という感じのヘルプ(指示ではない)が発生するので慣れないながらもそういう作業をします。
とはいえ、今回のボランティアスタッフはそれなりの人数がいらっしゃったようで、すぐに誰かがなにかしらの作業をしてくれるので、やはり観察する時間が長かったです。
Day 0 のメイン作業といえばノベルティーの準備でしょうか。参加した方はわかるかもしれませんが、トートバッグみたいなものがそれぞれに配られます。
その中にステッカーだったりペンだったりが含まれていますが、そうした内容物をトートバッグに入れる、という単純な作業を行なっていました。これ、それなりに大変でして、現地参加者の数が結構いらっしゃいますので単純に量が多くて大変です。
ただ、そこはさすがというべきか、スタッフがこの単純作業の中で自分の役割を見出し、途中から流れるようにノベルティーが完成していきました。まさしく自己組織的な何かを垣間見たような気がします。
この単純作業の最中にトラブルもありまして、作業がいい感じにスムーズに進み始めたあとに「これもトートバッグに入れる必要がでましたー」ということになり、その時点まで完成させていたノベルティーをもう一度点検してやり直す羽目になりました。こういうスクラム関連のワークショップ、ありますよね。もう擦られ続けた VUCA というワードですが、こんなところにもその片鱗が見えました。
Day 0 では、夕方以降に Speakers Dinner というものが開催されました。こちらは登壇者とスポンサーの方々、そしてスタッフが和気藹々と話す場です。やはりここも「ふわっと」始まります。ただし、会場を借りている時間の関係もあるので終了時間はきっちり守ります。それが終わったら各々二次会などに行っているようでした。
Day 1
そして、いよいよ Day 1 を迎えます。ここからが本番ですね。 Day 1 での主な私の役割は Room B での部屋付きです。The way through data to quality “Measuring Quality” と Untangle your team with a new approach. (プロポーザルの段階では "A new innovative way to manage the complexity of a team.” でしたが、タイトルを変更したようです))という二つの登壇を担当しました。
これらの登壇は海外から来てくれたスピーカーがやってくれたので、メイン言語は英語でそれを日本語に通訳してくれます。質疑応答についても日本語で質問をすれば英語に通訳され、英語で質問されれば日本語に通訳される、という感じで通訳の方々が大活躍する現場です。
また、通訳の皆さんは別の部屋で行うので、もしスピーカーや質問者がマイクを使わずに話してしまうと通訳の方々にオリジナルの音声を届けられず、部屋付きは意外と気を抜けません。当初は「のんびり登壇を聞いていようか」ぐらいに思っていたのですが、部屋付きに入ると「これは参加者や登壇者の満足度に影響しそうだ」ということに気づきました。
そのため、マイクに音が入っているか確認しながら会場の様子に気を配る、ということをしたので、登壇内容はほとんど理解できませんでした。あとで録画を見ようと思います。 Untangle your team with a new approach. という登壇をしてくれた Teemu に同じ部屋付きだった松下さんが「Last name はどうやって発音するの?」と聞いていてさすがだな、と思いました。その問いに対して Teemu は「そうなんだよ。みんな、このスペルからは発音の仕方がわかる人はなかなかいないよね」的なことを回答していました。部屋付きだと登壇者とこういう会話ができていいですよね。
Day 2
Day 2 も引き続き部屋付きでした。この日の担当は Cowtopia: Designing Agility Through Playful Innovation で、こちらはワークショップになります。 1 時間 40 分の時間を使ったワークショップでクネビンフレームワークを体験してチームを改善していくためにはどうすればいいのか?というような内容だったように思えます。部屋付きで見ていると参加者同士で交流をされていてとてもよかったですね。登壇を聞くのもいいですが、ワークショップに行くと半ば強制的に人と交流することになってそれはそれで Gathering ができてよいのではないでしょうか。
Day 2 にもなってくるとスタッフ業もだんだん慣れてきてようやく廊下を楽しむ、ということができるようになってきました。ただ、人と話している時にもトランシーバーの音声に注意していたので 100% 会話を楽しめたか?というとそこは課題がありそうです。
次回、チャンスがあればいかにうまくトランシーバーを扱っていくか?ということを研究したいと思います。そういえば、 Day 2 で正義さんに「30 秒ピッチやりたいんですけどどこに行けばいいですか?」と質問され「え!なにそれ!?」という感じで Confengine を見たところたしかに “Lunch Time (with 30 seconds pitch from anyone @ Terrace Room)” というのがあり、あわてて実行委員の永瀬さんに聞きに行きました。
そしたら永瀬さんも「え!なにそれ!?」という感じで急遽連携を取り合ってなんとか 30 秒ピッチを開催することになりました。スタッフの新さんがきっちり 30 秒はかって、肉声でドラを叩くということをやってくれて急ごしらえの割には面白いコンテンツになったのかもしれません。
Day 3
Day 3 はメインホールで Open Space Technology (OST))を行い、事前に募集している人たちは別の部屋でワークショップに参加する感じです。この日は特に私に役割があったわけではないのですが、とりあえず、 OST の部屋で入り口付近にみなさん座りがちだったので、奥のほうに誘導していました。
OST は始まるタイミングでは全員が円形に並んで座ってインストラクションを聞いて、各自持ち寄りたいトピックを書いていくのですが、その円形の並びがどうしても手前に偏ってしまったんですね。その偏りの修正をやっていました。 OST が始まる前に OST の寸劇があったのですが、私は廊下にいたので見られませんでした。あとで録画を見て楽しもうと思います。
OST では相変わらず熱量を持った参加者がテーマを持ち寄り、いたるところで活発な議論が行われていたようです。熱量が凄すぎてその日は寒かったはずですが、会場内は熱気が凄かったですね。私はなんとなくフラフラしていたのですが、途中から furoshiki.fm のテーマについてのテーブルにお邪魔しました。実はリスナーなのですが、ここぞとばかりに「お世話になっております」というフィードバックを出させていただきました。これが役に立つのかわかりませんがこれからもファンでいさせていただこうと思います。
Day 3 の OST とワークショップが終わるといよいよクロージングキーノートです。本間さんのお話です。最初の導入部で、現在、本間さんがされている子供たちとのお仕事の話をします。「ホンダの話じゃなかったっけ?」と思ったのですが、この導入部がないと実はホンダでのワイガヤの話がすっと入ってこないんです。ある意味焦らすような感じなのですが、全体を通して振り返ってみると「めちゃくちゃいい話だな!」という感想になります。さすがです。
ホンダの話になってくると City の開発の裏話?的なお話がされますが、とにかく「ワイガヤ」というのがキーワードですね。そして、本間さんは最後のほうで RSGT の OST に「ワイガヤ」を見出していただいたようで、ちょっと嬉しいですよね。そういえば、先日 Slack の Huddles を使ったプラクティスとその背後にある考え という記事を書きましたが、このワイガヤにも通じるな、と一人でにっこりしておりました。
まとめ
ということで、つらつらとボランティアスタッフとしての RSGT 2025 を書いてみました。ボランティアスタッフだとあまり RSGT を楽しめないかも?などと思っていたのですが終わってみるともう一度やりたいな、という気持ちになっています。
スタッフとしての仕事に慣れてくるとだんだんカンファレンス全体を俯瞰して見られるようになりわずか 4 日ながら自分の成長を実感しました。こんな感じで正統的周辺参加をしてコミュニティーに関わっていくのか、と実感しております。