タイミーのプロダクトマネージャーの飯田です。
今回は、12/4に開催されたプロダクトマネージャーカンファレンス(以下pmconf)に参加してきました。このイベントを通じて非常に有意義な学びを得られたため、タイミーのプロダクトマネージャー(柿谷、小宮山、鈴木、小西、佐々木、楠本、飯田)から、各セッションから学んだ内容を、全3回の記事で紹介します。
(本記事は、全3回のうち、Part1です。)
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どんなPMに機会が与えられるか?与えるべきか?
登壇者:
Product People株式会社 / 代表取締役 プロダクトコーチ
横道 稔 氏
株式会社SmartHR / プロダクトマネジメント統括本部 タレントマネジメントプロダクト本部 本部長
松栄 友希 氏
横道さんと松栄さんによるセッションを聴講しました。組織の中で、マネージャーは誰に、どの程度の難易度の機会を渡すのか?その意思決定の裏側にある「アサインの論理」が語られました。
特に印象に残ったのは、機会を引き寄せる要素として挙げられた以下の3点です。
- 突撃力というコミットメント わからないことがあれば「初めまして!」と飛び込み、20人にヒアリングできるような行動力。「わからないことを、わからないと聞きに来られる人」これは単なる元気の良さではなく、不確実な状況でも「何とかする」という高いコミットメントの証明であり、マネージャーがアサインする上での重要な要素である。
- 思考力とは「言葉の精度」 よく「地頭が良い」と表現されるが、これは先天的なIQの話だけではなく、「言葉を曖昧に使わず、前提を揃える力」と定義されていた。認識のズレが命取りになるPdMだからこそ、論理的かつ構造的に言葉を扱える能力が不可欠である。
- 「経験」ではなく「ペイン」に向き合う 「新規事業を経験したい」という自分主語の動機だけでは機会は巡ってこない。「このユーザーのこのペインを解消したい」という課題への執着心があるか。そして、その挑戦が本人のスキルに対して「パニックゾーン」に入りすぎていないか(現実的に遂行可能か)という冷静な判断のもとで機会は与えられる。
感想 自身の転職活動中も「地頭」という言葉を頻繁に耳にし、どこか先天的な才能のように感じて不安になることがありました。しかし、本セッションで「思考力とは、言葉の定義にこだわり後天的に磨けるスキルである」と定義されたことに、非常に勇気をもらいました。 ただ「やりたい」と手を挙げるだけでなく、曖昧さを排除して解像度高く仕事に向き合う姿勢や、不明確な事象・状況でも物怖じしない姿勢こそが、次の仕事の機会を引き寄せるのだと感じました。
(執筆:鈴木亜由子)
海外SaaSに学ぶプロダクト成長の新しい指標 - Product Engagement Score-
登壇者:
Pendo.io Japan株式会社 / Technical Account Services PdM Consultant 若松 研二朗 氏
Pendo.io Japan株式会社によるセッションを聴講しました。内容が非常に示唆に富んでいたため、レポートとして整理します。特に、タイミーが今後「事業者の業務深層に入り込むソリューション提供」へ拡張していく上で参考になると感じました。
Pendo.io(ペンド)社について
Pendoは、2013年に米国で設立された、プロダクトマネージャー(PdM)のためのオールインワン・プラットフォームを提供する企業です。 「ユーザーがプロダクトをどのように使い、何を求めているか」を可視化・分析し、コードを書かずにアプリ内ガイドなどを実装することで、プロダクトを通じたユーザー体験の最適化(Product-Led Growth)を支援しています。Fortune 500に名を連ねる企業から成長著しいスタートアップまで、世界中で利用されています。
PES(Product Engagement Score)とは
PESは、プロダクトの「真の健康状態」を測定するための複合指標で、以下の3つの重要指標の平均値で算出されます。
- Adoption(採用率):全ユーザーのうち、コア機能を使いこなしているユーザーの割合
- Stickiness(継続性):ユーザーが毎日、あるいは毎週継続的に戻ってきている頻度
- Growth(成長率):新規・既存ユーザーの増加スピード
【なぜPESが主流になっているのか】 従来の「DAU/MAU(アクティブユーザー数)」などの指標だけでは、「ログインはしているが活用はしていない」というユーザーを見抜くことが困難でした。SaaS市場が成熟する中、単なる集客ではなく「機能の深い活用」が解約防止やLTV向上に直結するため、多角的にエングージメントを測るPESが世界的な標準指標となりつつあります。
海外SaaSにおける導入事例: ①Okta:Adoptionの低い特定の重要機能を特定。Pendoのインアプリガイドを活用してユーザーを誘導した結果、プロダクト採用率25pt向上。 ②Adobe:新機能リリース後のGrowthとAdoptionをPESで常時モニタリング・機能案内を自動化することで新機能が「標準」として使われるまでの期間を大幅に短縮化。
タイミーにおけるPES活用の可能性 今後タイミーが長期アルバイト採用や特定領域のJOBタスク化へとソリューションを広げるにあたり、特定タスクの習熟度などの「Adoption(活用度)」を可視化することで、クライアントの事業成長への寄与を定量化できる可能性があります。 また、業界特有のフローに合わせた操作支援をプロダクト内で完結させれば、CSM(カスタマーサクセスマネージャー)によるサポートに頼りすぎず、レバレッジの効いた事業スケールが可能になると思いました。
(執筆:佐々木富美)
絶対に失敗しない。toB領域プロダクトのGTM戦略フレーム
登壇者:
株式会社estie / 執行役員 マーケットリサーチ事業本部 本部長 久保 拓也 氏
登壇資料:
株式会社estie(エスティ)について オフィス不動産データ分析プラットフォーム「estie(エスティ)」、賃貸管理システム「estie 管理」などの開発・運営。 日本最大級のオフィス不動産データ基盤を保有し、不動産業界(デベロッパー、アセットマネジメント会社等)のDXを推進するバーティカルSaaS企業です。
本セッションでは、PMFを「Product × Market × GTM」の掛け合わせととして再定義し、販売チャネル(GTM)まで含めて設計・検証することの重要性が説かれていました。特に、単一プロダクトの成功に留まらず、複数のプロダクトを戦略的に組み合わせる「プロダクトポートフォリオ」の視点が非常に参考になりました。
GTMまで含めたPMFの設計 一般的にGTMは「作った後にどう売るか」という後工程の戦略と捉えられがちですが、本セッションでは「GTMまで含めて設計されて初めてPMFが成立する」という点が強調されました。 プロダクト単体の機能だけでなく、既存資産を活かしていかに効率よく市場へ届けられるかという「勝ち筋」をセットでアセスメントする必要性を強く認識しました。
マルチプロダクトによるWhole Product(ホールプロダクト)の実現 タイミーにとって、圧倒的な集客力を誇る「スポットワーク求人」は、クライアントがタイミーの価値を即座に体感し、プラットフォームへ定着するための「エントリープロダクト」としての役割を果たしていると考えています。 estie社の事例のように、この起点で得たデータを活かし、周辺課題を解決するプロダクトを順次投入して「Whole Product」として顧客価値を最大化させる考え方は、今後の長期アルバイト採用や正社員採用への拡張戦略において不可欠な視点だと感じました。
(執筆:佐々木富美)
Part2に続く。
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