Timee Product Team Blog

タイミー開発者ブログ

LeSS Yoake ASIA 2024 Day1 レポート

こんにちは! スクラムマスターを担当している吉野です!

株式会社タイミーはLeSS Yoake ASIA 2024のスポンサーとして参加し、私も招待チケットを利用して現地に行ってきました!

本記事ではDay1のコンテンツのいくつかをレポートします!

Opening Session

オープニングキーノートは、Craig Larmanさんによる "AI & HR: Evolving Organizations in an AI World" というタイトルで、AIが私たちにもたらしてくれる変化を、AIができることの紹介、AIの変化に合わせて個人の役割の変わり方からチームのあり方の変化、と、徐々にスコープを広げて話されていました。

特に印象的だったのは、一部の専門性をAIが担ってくれる未来はそう遠くないというお話でした。

現在は各スペシャリストで構成されています。 それは、各メンバーがバリューを個々の専門性の領域で発揮しているからとなります。

チームメンバーの専門性が特別必要な領域や、ルーティンワークを必要とする業務は、AIにお任せすることで、個人の時間に余裕を持たせることができます。余裕ができた時間で何をするのか? それは、学習です。それも自身の専門性を深める学習ではなく、他の領域についても学ぶことが大切とのことでした。

そうすることで、個々が専門性を高めるチームではなく、様々なことに関わることのできるメンバーでチーム内の協働を促進し、よりチームの透明性を高められるということでした。

クロスファンクショナルなチームを作ることに苦労されているお話をよくお聞きしますが、このようにAIを使うことで、チーム組成を進めることができるとのこと。

(GLAD Developer = Generative-AI & LLM-Assisted Development)

そして、将来は一人の開発者と複数のAI Agentsの可能性も…

AIが専門性を担ってくれる可能性と、チームの形の可能性を一つ知れたセッションでした。

スポンサーセッション(Red Hat)

Red Hatさんによるスポンサーセッションでは、いくつかのチームでの議論を通しつつ、チームのスクラム/LeSSをより促進させるためには、組織変革へ目を向ける必要があることをメインに話されていました。

また、その組織変革に必要な要素を表す「スターモデル」を通して戦略/構造/プロセス/リワード/人材の考え方について、具体的な例を通しての説明がありました。

実際に使用し、方針を現場で立てるには、各項目のつながりとWhyとなる軸は説明できる必要があると思いますが、観点が簡潔にまとまっているモデルで、とっかかりに使えそうな印象を受けました。

また、その組織を変えることができる人物は「スクラムマスター」とのことです。

現在のタイミーでは「Agile Practice Team」というスクラムマスターで構成される、組織に向き合うチームがあります。

私も所属しているチームで、この発表はチームの存在意義を言語化してくれている!という気持ちになりました。

その他にも、ディスカッションの時間もあり、チームで多くの意見を出し合いました。

1時間とは思えない密度のセッションでした!

The LeSS Company CEOによるトークセッション

フルスタックCEOというパワフルな自己紹介をされていた、The LeSS Company CEOのBastiaan氏によるセッションでした。

LeSSの広がりやどのような場で活用されているのか、世界レベルでのお話を聞くことができました。

また、本セッションテーマについて、次のセッション時間に直接お話を伺いしました。

Bastiaanさん、Basさん、Akiさんとの廊下トーク

本来であれば、LeSS Morning 主催のワークショップの時間だったのですが、偶然にも廊下で3人のお姿を見つけて、話しかけてみました。

お話しした内容のうち、いくつかを以下に記載します。

最適なスケールフレームワークを選択するには? A. やりたいことをマネージャーなどに伝えるのではなく、まずは経営層の困っていることなどに寄り添うこと。システムモデリング(思考)などを使用し、困っていることを明確にする。 その中で、いくつかのフレームワークを当てこんだ時にうまくいくのか、うまくいかないのか、どのようなデメリットがあるのかを明確にする。 まずは、経営層の困っていることやプロダクトの課題を見える化することが大切。 特に、昨今はチームの認知負荷を減らすことが重要視されている傾向がある。多くの経営層の悩みにつながっており、あなたの場でも関係する可能性があるので見てみると良い。

Stage of Agileのデータから、LeSSの割合が少なくなっていて、SaFEの割合が多くなっている。これはなぜなのか? A. ガードナーに伺ったところ、実際のLeSS利用率は増えている。ガードナーは7000人にヒアリングしている。State of Agileの方は1000人しかデータを取っていないので、どのような人に向けてのアンケートかで、内容が変わってしまう。また、その人の意思とは反するデータになっているケースもある。例えば、ボスが変わってしまったことで、利用しているフレームワークがガラッと変わってしまうなど。なので、データの信憑性としてはそこまで高いものではないため、ある程度参考値ぐらいに考えた方が良い。

(名刺もいただきまして、「困ったらいつでも連絡して欲しい!」とオープンに接してくれたのがめちゃくちゃ嬉しかったです!)

スポンサーセッション : LINEとヤフーそれぞれの組織でのLeSS実践奮闘記

LINEヤフーより、nakoさん(@nako418)の登壇でした。

LeSSに挑戦し、難しい点に当たりつつもLeSSの実践を進めていったお話でした。

印象的だったのは、常に何ができるのかという選択肢を考え、一番最適な形を選択し続ける動きをされていたことです。

例えば…

  • フィーチャーチームとコンポーネントチームのどちらが良いのか?(理想と現時点)
  • オーバーオールイベントの参加者はどのような人を集めるのか?

など、要所要所の考える必要があるポイントでしっかりと選択肢を洗い出し、都度最適と思えるものを理由と合わせて選択して実践していくことは、とても参考になりました。

また、困ったお話についても、バックログの整理方法など多くの人が向き合うことになりそうな問題をピックアップされていて、すごく共感が多かったセッションでした!

(整理は、ひとまずエピックレベルで並び替え、必要になる上位のものに一旦フォーカスしていくとのことでした)

Q&A Craigさん / Basさんに質問Time

一度業務で抜けたため終盤のみの参加でしたが、それでも濃い質問と鋭い返答が多い印象でした。

例えば…

質問 : マネージャーがいない組織における、責任の所在は?生産性の可視化ができていない、となった場合の問題は誰が責任を負うのか?マネージャーがいない組織において、どのように解決していくのか。

回答 :

  • チームが責任を持つことが大切
  • スクラムマスターがそれを促す
  • 人数の少ないマネージャーができるのであれば、人数の多いチームメンバーもできるのではないか?

“マネージャーでないとできない” という制約を個人の中に持ってしまっていたことに気がついた瞬間でした。大切なのは、“なぜチームが気にしないのか” ということを考え、システムとシステム構造を変えることが大切と話されていました。

ディナー

(写真を撮っていなくて残念…) 8種類ぐらいのビールと美味しそうな夕食が並んでいて、ビュッフェスタイルの懇親会でした。 ビールを何回もおかわりしつつ、多くの方とお話しして回りました。

そのため、夕食にはほとんど手をつけず…

イベント全体で時間が押していたため、1時間と短めの懇親会でした。 (もっと多くの方と交流したかった…!!)

終わりに

以上でDay1のレポートとなります! 運営の方にお話を伺ったところ、初めての大規模開催とのことでした。

機材トラブルや時間が押してしまった等、いくつか大変そうなシーンもありましたがあの規模のカンファレンスを開催されていたのはめちゃくちゃすごかったです! (同じ規模のイベントをいつか私も開催したい)

まだDay5がありますので、引き続き楽しみつつ学んでいきたいと思います!