この記事はタイミーのPMM(Product Marketing Manager)のishinabeが担当します。
PMM??と思った方もいるかもしれないので軽くどんなミッションを持っているのかを説明しておくと、デプス調査や定量分析などなどを絡めて顧客課題やジョブの発見から、その深さ・ボリュームの推定、リリースする機能のマーケットイン(機能に価値を感じてもらえる顧客に機能を認知してもらい使ってもらうこと)あたりを主な任務としてIssue度が高いものから解決しようと動いています。
また、今回の記事のテーマのように、デプス含めた顧客理解を組織にインストールすることも重要なミッションとして捉えています。
※前提、世の中的にもまだ役割がかっちりと定まっている訳ではないので、私も関連チームと会話しつつ模索しながら動いている段階です(この記事の話はどちらかというと世に言うUXリサーチャーっぽい動きかも知れない)。
さて、本題の「ユーザーインタビュー参加コストを極小化する仕組み」お話しです。
なお、以降「ユーザー」→「ワーカー」と表記します。タイミーのサービスのユーザーは、お仕事内容を掲載して働く人を募集する「クライアント」と、お仕事に申し込んで働く「ワーカー」に大別されるためです。
何をやったか
やりたいという意思表示をしたらあとは当日参加するだけ
今の状態から話すと、ワーカーインタビューが毎日、各1時間ずつ枠が確保されているので、「やりたいという意思表示をGoogleカレンダーで示す」だけでインタビューに参加できるようにしました。具体的には以下のキャプチャの通りです。
「IaaS(Interview as a Service)」ですね、はい。
裏側で処理されていること
- ワーカーインタビュー用のカレンダーを作る
- ワーカーインタビューを定期的に開催する
- アドホックだと文化にならない
- インタビュー実施の数営業日前に、私が参加者の有無をカレンダーにて確認
- 希望のインタビュイー像があるかを参加者に確認(なければおまかせで募集)
- 基本的にはタイミーのサービス上でお仕事としてインタビュイーを募集
- マッチングしたワーカーさんとインタビューURLなどのやり取りを実施
- インタビュー用のNotionを作成し、マッチングしたワーカーさんの基本情報・お仕事のログを記載した上で参加者へ共有
- 謝礼に関する社内申請・精算の実施
インタビュー参加のサポート
- 参加者にインタビュアーとしての希望の参加度合いを確認し、それに叶うようにPMM/PdMが進行をサポート(つまりファシリテートはPMM/PdMがやるので、前準備や知識は必要なし)
- インタビューTipsをNotionにまとめ、初心者でもざっと心得を把握できるようにしている
なぜやったか
状況としては2つあったと認識してます。
- プロダクトチーム(PdM&エンジニア)として、以下の課題を感じていた
- 企画〜実施までの工程が重く、現実的にそれを実現するのは大変(に感じていた)
- インタビュー目的を設定して項目を作って
- インタビュイーを募集してやりとりして
- 社内の承認や費申請などを通して
- 当日の準備をやって
- 終わったら報酬のお支払いなどのやり取りをして
- などなど・・・
- 目的を明確に設定していないとインタビューが起こりづらく、ちょっと聞きたいだけだったり、プロダクトゴール外の普遍的な顧客理解が進みにくい
- 企画〜実施までの工程が重く、現実的にそれを実現するのは大変(に感じていた)
- 私が、ジョインして以降(勝手に)インタビューをしまくっていた
- 昨年12月にPMMとしてジョインして以降、加入当初はまず全体感を把握するために幅広にインタビューしながら、明確にミッションを持ってからはそのIssueを深掘りするために特定セグメントのインタビューを重ねていました(数えたら営業日以上の回数インタビューしていた)
フリーダムなムーブをしていた自分を、嗅覚のするどいPdMの たかし (@tktktks10) | Twitter がめざとく見つけて「折角だからうまく合流して仕組み化できれば良くない?」という話になりました(すごく簡略化しましたが、PdM&PMMとして、組織がユーザーの課題やジョブに深く向き合いながらサービス改善していく文化を作りたいという信念があり、その足がかりとしたい意図も合致して特に引っかかりもなくやろうとなりました)
取り組みへのフィードバックなど
- PdMの @tktktks10 からのお言葉
- 「インタビューの企画設定コストを極限までas a serviceとして削ぎ落としたことで、開発チームが本質的なコンテンツに集中しながら顧客と話せるようになったのが尊い」
- 「インタビューの企画設定コストを極限までas a serviceとして削ぎ落としたことで、開発チームが本質的なコンテンツに集中しながら顧客と話せるようになったのが尊い」
- 他チームからも問い合わせが
- いわゆるセールスや渉外の役割を持ったチームからもワーカーインタビューをしたいという問い合わせが来ました。浸透させていきたい...。
- CEOの小川も参加しました。大事。
- 記事を書いている途中に最近入社したBIチーム・マーケチームのメンバーも参加してくれました
- 参加人数(のべ)
- 正確にいつから始めたか調べるのが面倒なのでざっくりですが、2月下旬くらいからプロダクトチームに声をかけて、のべ20回超(5月11日時点)はプロダクトチームの人に参加してもらいました(※UUではありません。参加回数にまだまだばらつきはあります)
今後の展望
今後として、「仕組み化」という文脈ではプロセス上にまだ自分が挟まってしまっているので各工程で自動化できる余地を探りつつ、プロダクトチームが顧客の声を直接聞くという営みの価値の高さは実感できたので、より組織に浸透させる後押しをしていきたいなと思っています。
別途、インタビューをどう開発プロセスや組織の意思決定にフィードバックしたかは別記事で触れられればと思います。
また、実際のサービスやプロトタイプのユーザビリティを「定期的に」観察できる場も用意できると良いかなと考えています(Issue/Jobの探索はこの記事の取り組みで一定できるようになっているので、Solutionへの解像度を高める取り組みも浸透させたいの意)。
というわけで、顧客と向き合うの最高ですよ、まずは騙されたと思って5回やってみてください!踏み出したとして1回や2回そこらでやめない方がいいです。
そしてできればタイミーで一緒にやりましょう。
最後に自己紹介とおさそい
前職ではPdM(Product Manager)をやっていましたが、タイミーでPMMロールにチャレンジすることになりました。役割は冒頭に書いた部分を中心に据えて動いていますが、まだまだ模索中、かつ、流動的な状況です。
部署的な話でいうと組織図上はマーケティング部の中にいますが、気持ち的にはプロダクト半分、マーケ半分で、スクラムの各イベントに参加したり、こうしてTech Blogに寄稿したりしています。
昨年12月にジョインして約半年になりましたが、事業としての成長スピードもえげつなく、やれることが溢れるようにあると感じています。が、とはいえPMMは今のところ私一人なので拾いきれてないものも多く、ご一緒する方を探し求めています。
まだPMMというロールの浸透度が薄く、選考フローに乗ってくる絶対数がほぼないという現状なので、少しでも興味があればぜひMeetyでお話しできればと思ってます(意見交換目的でもぜひ...)。
また、少なくともこの4月までプロモーションマーケの方にも関わっており、そちらの雰囲気を知りたいマーケ志望の方。もしくは、PMM視点でプロダクトチームの雰囲気を知りたいエンジニアの方など、幅広にお声がけお待ちしております。
それでは。