はじめに
こんにちは、マッチング領域でバックエンドエンジニアをしているぽこひで ( @pokohide ) です。
タイミーのアドベントカレンダー2日目の記事です。
今回は、タイミーのプロダクト組織で毎週開催している技術的な雑談を行うテックトークの紹介をします。なぜ開催しようと考えたか、どのように運用をしているかなどをお話しします。
開催の背景
タイミーのプロダクト組織では、働き方の柔軟性を担保する観点などからフルリモートという働き方を選択しています。また、タイミーではチームトポロジーを採用しており、それに沿ってチーム構成などを考えています。
チームトポロジーの変遷や取り組みについてはCTOとCPO(発表当時はVPoT)が過去に発表を行っているので詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
チームトポロジー Vol. 2 「組織をチームトポロジーで振り返るメリット」タイミー 亀田 彗 | ITエンジニア向けのトレンド情報
組織をスケールさせるための Four Keys とチームトポロジー - Speaker Deck
チームトポロジーによって、チームが疎結合になることでコミュニケーションの複雑性が抑えられたりチームの柔軟性が増すなど利点はありますが、インフォーマルコミュニケーション(業務外の日常的な会話や雑談)が減り仲間意識が薄れる可能性もあります。さらに、フルリモートはこの流れを助長する可能性があります。
疎結合性を確保しつつも適度なコミュニケーションや協力を促進するバランスが重要と考え、テックトークという会を開催*1しようと考えました。
2023年9月に発売された「GitLabに学ぶ 世界最先端のリモート組織のつくりかたドキュメントの活用でオフィスなしでも最大の成果を出すグローバル企業のしくみ」でもリモート組織を作る観点でですが、インフォーマルコミュニケーションが従業員のパフォーマンス向上やメンタルヘルスの問題解決に重要な役割を果たすという研究結果が紹介されています。
GitLabのカルチャーは、「GitLab Value」「仲間意識(信頼と友情)」「ワークスタイル」という3つの要素で構築されており、仲間意識を醸成するためにインフォーマルコミュニケーション(業務外の日常的な会話、雑談、何気ないやり取り)が「意図的」に設計されています。
オフィスなしのオールリモートで成長するGitLab社、世界中の2,000人をつなぐカルチャーとは|CodeZine(コードジン) から引用
と、それっぽい理由を書いていますが、他のチームで起きた技術的に面白い事やその時々の興味深いテックニュースなどをゆるく駄弁りたいという個人的な欲求が発端というのもあります。
毎週ゆるく開催するテックトークについて
2023年2月から毎週金曜日に夕方から最長1時間枠で開催している技術的な雑談を行う会です。
SlackのHuddleを利用しており、会話から抜ける時の確認は不要で入退室は自由です。
技術的な話題である事のみが制約で、あとは雑談でもLTの練習場でも何でも自由に使って良い時間としています。
話題は持ち寄り制で、最近の技術ネタや面白いPRなどがあれば自由に書いてもらう形式で運用しています。何もなければその場の雰囲気で会話したり、早めに会を終わらせています。
とはいえ、持ち寄るのも大変なので会の冒頭10分に、1週間にあった技術的なWINやポストモーテムの学びを共有する時間を設けています。ここからさらに深掘りたいものがあれば話題に移して話しましょうといった流れです。
テックトークの仕組み化
テックトークを開催するにあたって、参加者に満足してもらいたいのは勿論ですが、それ以前に継続的に開催する事が大切と判断し、そちらを重視しました。
そこで運用コストを最小化するためにも内容をシンプルにし、仕組み化にもこだわっています。
開催するからには気軽に参加してもらいたいのでSlackbotのリマインダーを活用しつつ、Slack Huddle上で開催しています。当初はGoogle Meetを使っていましたが、カレンダーに招待されていないと暗黙的でクローズドな会と誤解されると思ったからです。
時間配分や会の内訳はシンプルです。
- 会の説明や目的の共有
- WINの共有
- ポストモーテムの学び共有
- 雑談タイム
以上です。前半の共有は経験則的に長くとも10分程度で終わります。タイムキーパーを用意していません。あとは適当に駄弁るだけです。
会の説明や目的の共有
会によっては、初めて参加してくれる方もいるので「この会は、テックな話題である事以外は特に制約はなく、入退室も自由なゆるい会ですよ」とお伝えしています。
WINの共有
タイミーのプロダクト組織では、技術的に面白い取り組みやドキュメントの更新、エラー対応、パフォーマンス改善など文字通りWIN!と感じたものに :win:
スタンプをつける文化があります。そこで、 :win:
スタンプが付いた投稿を特定のチャンネルに集約して、テックトークで触れやすくしています。
ここでは、WINを共有するだけに留め、パフォーマンス改善などその背景にあったツラミをもう少し深掘りたい場合は、後続の雑談タイムで話すようにしています。
余談ですが、:win:
というスタンプはあまり汎用的すぎる名前で他の部署がつけたWINも収集してしまい収集チャンネルがノイジーになっていました。そこで、メンショングループXに所属するユーザーがスタンプYをつけた時にチャンネルZに通知するSlack BOTを作りました。
このBOTについては、またどこかで紹介できればと思います。
この辺も今後はNotionに自動で転記するなどより自動化していきたいですね。
ポストモーテムの学び共有
ポストモーテムをNotionのDBで管理しているので、その週に開催されたポストモーテムだけを表示するようにフィルタリング条件を調整し、準備不要で触れられるようにしています。
ここでも時系列を振り返るのは時間をとりすぎるので、影響範囲や原因、学びのまとめのみを共有しています。
雑談タイム
この時間に話す話題をDBの1レコードとして管理しています。最近は参加者も話題も増えたため、気になる人は投票してもらう制度を導入し、どの話題から触れていくかを決めています。
議事録は話題レコードの中に雑に記載しています。話題をDB管理しているのは、テックトークでの雑談からTechBlogや登壇のネタになると嬉しいな考えているからです。これも特に目的として明文化してませんが、この仕組みが機能していく事に乞うご期待です。
- Rails 7.1に上げるための残作業
- 論理削除のつかいどころ
- テクノロジーレーダー9月号を眺めてみる
- モジュラモノリスにおけるパッケージ間のDBトランザクションの扱い
- 技術検証を活性化するためにはどうすればいいか
例ですが、過去にはこういった話題が話されていました
やってみて
2023年2月から開催し、開催回数は30回を超えました。
準備も特に必要なく、自分もただの一参加者気分で参加できているので気負わず継続できているのも良いことです。当初考えていた技術的な話題を駄弁りたい欲求も満たされ、他のチームメンバーとも交流ができています。
自分だけ述べても公平性に欠けるので、参加してくださっているみなさんのコメントも欲しかったのですが、アドベントカレンダーの締切間近すぎて間に合いませんでした。なので、これは自分一人の勝手な妄想かもしれないですが、最近は常に6人以上は集まってくれているので客観的に見て満足はしてくれているのでしょう…(そう信じたい笑)
さいごに
今回は技術的な雑談を行うテックトークの紹介や、継続的に開催するためにどのように仕組み化しているかをお話ししました。
テックトークの参加者は増えてきています。嬉しい悲鳴ですが、参加者が増えすぎるとこの会の主目的である雑談が難しくなります。それは今後の課題なので、テックトークのフランチャイズ化やランダムに参加者を分割してブレイクアウトルームのようにするなど色々試していければと思います。
また、ここで話された話題からテックブログのネタなどが生まれる事を個人的に期待しているのでそちらも乞うご期待ください。
この活動について、より詳しく知りたいと思った方はカジュアル面談受け付けておりますので、是非お話ししましょう!過去の話題や議事録は残っています笑